「ブラック」の法則 ~歯科~
皆さん、こんにちは!
久里浜にある歯科、久里浜グリーン歯科です。
今回のタイトルは、「ブラックの法則」。
「ブラック」と言っても、巷で話題のブラック企業の話ではありません。
歯科業界で、「ブラック」と言えば、「グリーン・ベーディマン・ブラック」のことなのです。
歯科医師で、この人の名前を知らない人はいません。
なぜなら、教科書に必ず出て来る程の人で、特に保存修復では基本中の基本とも呼べる、窩洞の分類と窩洞形態の5条件を提唱しています。
Wikipediaの解説では、1836年生まれのアメリカ人歯科医師であり、現代歯学創設者の一人として紹介されています。
1世紀以上前に予防歯科時代の到来を予言していたとも言われていますね。
ブラック氏が提唱した治療法を具体的に言えば、黒や褐色に変色した虫歯をすべて削り取り、さらに詰め物が取れづらい形にまで周囲を削り取る方法です。
ただ、この治療法には、1つ問題がありました。
詰め物が取れづらい形にしようとすると、どうしてもむし歯部分だけに留まらず、それ以外の健全な箇所も削る必要が出てきやすいのです。
それに詰め物というのは、見た目はピッタリでも、どうしても目に見えない程の小さな隙間や溝ができるのです。
治療後に患者さんのブラッシングが不十分だと、そこにプラークが溜まり易く、むし歯となっていくことが少なくないのです。
そして、また歯医者に行くと、今度はその詰め物と歯の間にできたむし歯の箇所を削ることになり、詰め物がドンドン大きくなっていくのです。
その結果、最後には神経を取って歯全体を被せるようになり、ついには歯がダメになって抜歯というケースが多かったのですね。
そんな中、ついに1990年にWHO(世界保健機関)の傘下にあるFDI(国際歯科連盟)という機関から、「ブラックの法則完全撤回」という内容の通達が出ました。
つまり、「歯を必要以上に大きく削ってはいけない」という通達です。
実際には、通達が出る以前から、「歯は極力削らない」という考えの元、治療を行う意識の高い歯科医師は多かったのですけどね。
あと、昔と比べて詰め物の材質が改善され、「詰めやすく取れにくい」ものが出てきたということもありますが。
まあ、そういった訳で、今では「なるべく削らない」ということが歯科医師の共通意識となっています。
とはいえ、削らなくてはいけない箇所は削ります。
歯の寿命を伸ばすためにも、むし歯で痛みを感じるほどになってから来院するのではなく、少しでも初期の段階で治療されることをお勧めします。
久里浜グリーン歯科:https://www.kurihamagreen-dental.jp/
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